新築住宅の内装を選ぶ際には、家の間取りや希望するエリア、住み心地など、その家の個性を生かすためのあらゆる要素を考慮することが大切です。
また、その家に住む人の生活スタイルを理解することも必要です。ライフスタイル、趣味、関心事など。そうすることで、ユーザーのニーズにぴったりと合った設計が可能になるのです。
内装を決める9ステップ

STEP1:好きなデザインを集める
新築住宅のデザインを決めるとき。まずは全体のデザインテイストを考えましょう。
デザインテイストを決めるには、雑誌やハウスメーカーのパンフレット、SNSなどで、家づくりのビジュアルイメージを集めるのが有効です。さらに、地元のカフェやレストラン、ショップなどに足を運ぶことも、貴重なヒントやインスピレーションを与えてくれるでしょう。
家全体のデザインテイストを考えた上で、そのテイストをもとに使用する色を決めることができます。色数は多くても3色までにとどめておくのがおすすめです。こうすることで、ベースカラー、デザインカラー、アクセントカラーを明確にし、デザインデザインの大枠を固めることができます。
まず視覚的な参考資料を追加することから始めます。オンラインサイト、雑誌、新聞、パンフレットなど、さまざまなソースからのものであってもよいでしょう。
具体的なイメージを持ってもらうことで、コンセプトが練りやすくなります。また、デザイナーや施工業者と共有することで、新築住宅に求められるものを理解しやすくなるのも、この参考資料のメリットです。
STEP2:収納量を把握する
住宅の収納面積の割合の目安は、戸建て住宅で12~15%、マンションで8%以上とするのが一般的です。これは昔から一般的な目安ですが、状況によって異なる場合があるため、複数の理由があります。例えば、マンションの場合、家の間取りや住戸の総面積(または人口)の関係で、収納できるものが少なくなることが多く、そのため収納面積の割合が低くなることがあるのです。
また、あなたのライフスタイルやモノの量、種類も考慮すべき要素です。例えば、衣類やリネン、書籍などをたくさん購入する家庭と、同じ物を長く使う家庭とでは、必要な収納スペースが違ってきます。
家の中に入れる収納スペースの量を決める際には、現在使われている収納スペースの量を考慮することが大切です。一番わかりやすいのは、ご夫婦の収納でしょう。現在の収納の大きさを見て、不足していることがわかれば、収納スペースの追加が必要な場合も理解しやすいでしょう。
難しいのは、子供部屋の収納の場合です。この場合、大きくなるにつれて物が増えていくので、それに合わせて収納スペースを確保する必要があるかどうかを考える必要があります。家族全員のニーズを考慮しながら、家の中の収納場所を決めることが大切です。
STEP3:床と壁の材質を決める
床材質について考えてみましょう。床は日常的に歩く場所であり、その素材によって歩いたときの感触や音の響きが異なります。例えば、フローリングは木の温かみがあり、柔らかい足触りが魅力的ですが、重たいものを落としたり、傷つけたりすることがあります。
一方、タイルは丈夫で汚れが落としやすく、清潔感があるのですが、硬いため足に負担がかかります。そのため、家族構成やライフスタイルに合った床材質を選ぶことが大切です。
次に、壁材質について考えてみましょう。壁は部屋全体の印象を大きく左右します。例えば、クロスは豊富なバリエーションがあり、DIYで簡単に張り替えることができるのですが、汚れが目立ちやすく、長期的には劣化が進んでしまいます。
また、板壁は木の風合いがあり、高級感があるのですが、湿気やカビに弱く、メンテナンスが必要です。さらに、珪藻土や漆喰などの天然素材は、調湿効果があり、健康的な室内環境を保つことができますが、クロスや板壁に比べると価格が高くなってしまいます。
以上のように、床・壁材質はそれぞれに良い点・悪い点があります。自分たちのライフスタイルや予算に合わせて選ぶことが大切です。
また、素材だけでなく、色や柄・質感なども重要なポイントです。家族全員が快適に過ごせる内装を選ぶことができるよう、じっくりと検討しましょう。
STEP4話し合う

内装は、ハウスメーカーに相談する前に、家族で話し合い、意見をまとめておくとよいでしょう。家族の個性や好みを反映した、理想の住まいを実現するためには、家族の意見が重要なポイントになります。
どんなテイストの内装にするかという段階で、家族の意見がバラバラでは、ハウスメーカーやインテリアコーディネーターに相談する意味がありません。それよりも、まずは家族の考えや好みを集約し、共通点を見つけることが先決です。
色や素材など全体のスタイルと、家具や建具などのディテールの2つがポイントになります。
まず、全体の方向性を家族で話し合い、家族の好みや希望を把握した上で、家族全員の意見がまとまったところで細部を検討することが大切です。そうすることで、デザインプロセス全体を通じて、同じ好みを考慮することができます。
大まかな方向性を決める際には、そのスペースの主な用途と、そのスペースで行われるアクティビティについて考えるのが一番です。その空間は、日常的に人が出入りする生活空間なのか?それとも、読書や昼寝、映画鑑賞など、くつろぎの場となるのでしょうか?
家族それぞれがつくりたい雰囲気を考え、それを表現するのに最適な色や素材を見極めましょう。
また、ディテールの話し合いも欠かせません。家具や什器は空間に劇的なインパクトを与えるので、ディテールについて家族それぞれの意見を考慮することが重要です。
サイズや形、美的要素などを考慮し、全体を引き締める配色や素材などを決めていきましょう。また、窓枠や家具の配置を工夫することでも、印象は大きく変わります。
STEP5:床の色等を決める
床の色については、家族のライフスタイルや好みによって異なります。例えば、明るい色は広く明るい印象を与え、暗い色は重厚感があります。
また、汚れが目立ちにくい色や、足あとが目立たない模様のある色などもあります。床材質にもよりますが、木目調の床が人気があり、明るめの色味が好まれます。
ただし、色や柄は長期間使用するため、流行り廃りに左右されず、バランスのとれたものを選ぶことが大切です。
また、床の色の選び方には、以下のようなポイントがあります。
– インテリアのコーディネートに合わせる
床の色は、カーテンや家具、壁の色などとの相性も重要なポイントです。統一感のあるインテリアにするためにも、床の色は他のアイテムとのバランスを考えて選びましょう。
– 玄関ドアの色に合わせる
玄関ドアの色と床の色を合わせることで、家全体の印象が統一されます。特に、明るい色の玄関ドアには、明るい色味の床がよく合います。
– 日当たりに合わせる
床の色は、部屋の日当たりによっても違ってきます。南向きの部屋は明るい色味が映え、北向きの部屋は暗めの色味が似合います。また、窓からの光があたる場所には、反射する光を抑えるために、マットな質感の床がおすすめです。
以上のポイントを参考に、家族が快適に過ごせる床の色を選んでください。
STEP6:壁や天井の色等を決める
天井や壁の材質を決める際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
– 吸音性
部屋の音響にも影響を与えます。特に、2階建ての住宅では、床からの音の伝わり具合が重要になってきます。そこで、吸音性が高い天井や壁の材質を選ぶことで、部屋全体の静寂感を高めることができます。
– 色・質感
色や質感は、部屋全体の印象を左右します。明るい色味の天井は、部屋全体を明るく開放的に見せることができます。また、光沢のある質感の天井は、高級感を演出することができます。
– 施工方法
材質によって、施工方法も異なります。例えば、天井をクロスで張る場合は、張り方によって部屋の印象が異なってきます。施工業者に相談し、天井材質に適した施工方法を選ぶことが大切です。
以上のポイントを考慮しながら、家族が快適に過ごせる天井材を選びましょう。
STEP7:キッチンなどの設備を決める
新築住宅のキッチンや設備を決める際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
– 料理スタイルに合わせる
キッチンは、毎日の料理に欠かせない場所です。家族の料理スタイルに合わせたキッチン設備を選ぶことが大切です。例えば、オーブンやグリルなどの調理器具が充実しているキッチンは、料理好きの家族にはおすすめです。
– 収納スペースを確保する
キッチンには、食器や調理器具などの収納スペースが必要です。家族の人数や普段の生活スタイルに合わせて、収納スペースを確保することが大切です。
– 排水設備を考慮する
キッチンには、排水設備が必要です。特に、食器洗い機を設置する場合は、排水設備の確認が必要です。
– エコ性を考慮する
最近では、エコ性の高いキッチン設備が注目されています。例えば、省エネ調理器具や、リサイクル可能な素材を使った収納スペースなどがあります。環境に配慮したキッチン設備を選ぶことができると良いでしょう。
STEP8:照明を決める
新築住宅の照明を決める際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
– 明るさ
照明の明るさは、部屋全体の印象を左右します。明るすぎると眩しく、暗すぎると部屋が暗く感じられます。家族のライフスタイルや好みに合わせて、適切な明るさを選びましょう。
– 色
照明の色は、部屋の雰囲気を左右します。昼間は自然光に近い色味が、夜は温かみのある色味がおすすめです。また、壁や天井の色に合わせて、照明の色も調和させることが大切です。
– 形状・デザイン
照明の形状やデザインは、部屋全体の印象を左右します。一般的にはシンプルな形状が、多くのインテリアに合うとされています。また、照明自体がアクセントになるような、個性的なデザインのものも人気があります。
– エコ性
エコ性の高い照明を選ぶことで、電気代を節約することができます。LED照明や省エネタイプの照明など、環境に配慮した照明を選ぶことができると良いでしょう。
STEP9:家具を決める
新築住宅の家具を選ぶ際には、以下のポイントを参考にすると良いでしょう。
– 適切なサイズと形状
家具は、部屋のサイズや配置に合わせて選ぶことが大切です。例えば、リビングルームにソファを置く場合は、そのサイズや形状が部屋に合っているかを確認しましょう。また、移動がしやすい軽めの家具を選ぶと、掃除や模様替えがしやすくなります。
– 快適な座り心地
ソファやチェアなどの座面は、快適な座り心地が重要です。座面の硬さや柔らかさ、背もたれの高さや角度など、自分たちに合った座り心地を選びましょう。
– デザイン性
家具は、部屋の雰囲気を左右する重要な要素です。自分たちの好みやライフスタイルに合わせて、デザイン性の高い家具を選ぶことが大切です。また、家具だけでなく、カーテンやクッションなどの小物も、部屋のアクセントになるため重要なポイントです。
– 耐久性とメンテナンス性
家具は、長期間使用するものです。そのため、耐久性とメンテナンス性も考慮する必要があります。特に、子どもがいる家庭では、汚れや傷がつきやすい家具は避けるべきです。また、メンテナンスがしやすい素材の家具を選ぶことで、長期間使用することができます。
内装デザインの実例3選

新築住宅の内装デザインの実例です。
1. モノトーンで統一されたシンプルな内装

壁や床、家具などのインテリアが全てブラックやホワイトといったモノトーンで統一された内装です。落ち着いた雰囲気で、モダンな印象を与えます。
2. ナチュラルテイストの内装

壁や床などの素材には木材を使用し、家具も木製のものを選んだナチュラルテイストの内装です。明るめの木目調に、緑の観葉植物を取り入れることで、自然な雰囲気を演出します。
3. カラフルな内装

壁や家具などのインテリアには、カラフルな色味を取り入れた内装です。明るい色味は、部屋全体を明るく開放的に見せることができます。また、色を統一することで、統一感のあるインテリアにすることができます。
以上のように、内装デザインは、自分たちのライフスタイルや好みに合わせて選ぶことが大切です。新築住宅を建てる際には、家族全員でじっくりと検討して決めましょう。
内装を決める際の注意点

注文住宅を建てるのは大変な作業です。ワクワクするプロセスですが、家のデザインやレイアウトを決めるとなると、すぐに圧倒されてしまうものです。注文住宅のインテリアデザインを考えるのは楽しいことですが、その過程で心に留めておくべきいくつかの重要なポイントがあります。後で後悔しないために、そのポイントを探ってみましょう。
全体像で考える
自宅のインテリアを決める際には、大局的に考えることが大切です。インテリアの性格を計画する際に必要な、家具や装飾品などの情報も含めて空間全体をイメージするとよいでしょう。
家具や置物も含め考える。詰め込みすぎない
大きな家具や重要な装飾品の位置を計画するときは、十分なスペースを確保する必要があります。そうしないと、空間がごちゃごちゃして窮屈に感じられることがあります。空間を埋め尽くしすぎると、見栄えが悪くなるので、なるべく避けましょう。
実物のサンプルを見る。
実物を見てから決めるのは、いつの時代も良いことです。クロスや床材、装飾品などを選ぶ際には、実物を見て決めることが肝心です。そのために、多くのハウスメーカーや建材メーカーがクロスなどのサンプルを用意しており、後悔のないように配慮しています。カタログでも素材のイメージはつかめますが、やはり実物を見てから選びたいものです。
失敗した事例

新築住宅の内装デザインにおいて、コンセントの位置やドアの向き、スイッチの配置、導線の配線など、失敗することがあります。以下は、そのような事例の一例です。
1. コンセントの位置が不便
コンセントの位置が使いにくかったり、不足していたりすると、家電製品の使用が制限されることになります。例えば、テレビの設置場所にコンセントがなかったり、キッチン周りにコンセントが少なかったりすると、家電製品の使用が不便になってしまいます。
2. ドアの開き方が逆
部屋のレイアウトを考慮しないまま、ドアの開き方を決めてしまうと、部屋の使い勝手が悪くなることがあります。例えば、ドアが逆方向に開いてしまい、家具などが置けなくなってしまったり、通り道が狭くなってしまったりすることがあります。
3. スイッチの配置が不便
スイッチの位置が不便だと、電気のオン・オフが面倒になることがあります。例えば、ベッドの近くのスイッチが届かなかったり、キッチン周りのスイッチが使いにくかったりすると、生活が不便になってしまいます。
4. 導線の配線が乱雑
導線の配線が乱雑だと、折角のスペースを圧迫してしまうことがあります。リビングを通らないとお風呂に行けなかったり、洗濯機からベランダまでが遠かったりするとムダな移動が増えてしまいます。
5. イメージと違う
明るく開放的なイメージで設計したのに、実際には暗く圧迫感のある部屋になってしまったり、ナチュラルなイメージで設計したのに、結果的にモダンな雰囲気になってしまったりすることがあります。
以上のように、新築住宅の内装デザインにおいて、失敗することがあります。失敗を避けるためには、事前によく検討し、プロの意見も参考にすることが大切です。
まとめ

新築住宅の内装を決める際には、様々な要素を考慮する必要があります。内装デザインは、自分たちのライフスタイルや好みに合わせて選び、色を決めることから始め、収納量を把握することも大切です。
内装を決める際には、家具の配置やレイアウトも重要なポイントです。家具は、部屋のサイズや配置に合わせて選びましょう。例えば、リビングルームにソファを置く場合は、そのサイズや形状が部屋に合っているかを確認しましょう。また、移動がしやすい軽めの家具を選ぶと、掃除や模様替えがしやすくなります。
床と壁の材質も、内装デザインに大きく関わります。床の材質や色を決めることで、部屋の雰囲気を大きく変えることができます。また、壁や天井の色に合わせて、照明の色も調和させることが大切です。
内装デザインには、実例が豊富にあります。例えば、モノトーンで統一されたシンプルな内装は、落ち着いた雰囲気で、モダンな印象を与えます。ナチュラルテイストの内装は、明るめの木目調に、緑の観葉植物を取り入れることで、自然な雰囲気を演出します。カラフルな内装は、明るい色味を取り入れることで、部屋全体を明るく開放的に見せることができます。
家具や装飾品などの情報も含めて空間全体をイメージするとよいでしょう。また、家具や置物を含め、詰め込みすぎないように注意しましょう。実物のサンプルを見てから決めることも重要です。クロスや床材、装飾品などを選ぶ際には、実物を見て決めることが肝心です。
コンセントの位置やドアの向き、スイッチの配置、導線の配線など、失敗することがあります。失敗を避けるためには、事前によく検討し、プロの意見も参考にすることが大切です。

吉原 健壹

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