「こどもみらい住宅支援事業」としておなじみの新築・リフォーム補助事業が、新たな名称でリニューアルされました。その名は「こどもエコすまい支援事業」となり、一定の条件を満たして新築・リフォームを行う場合に、補助金を受けることができる制度です。

本記事では、こどもエコすまい支援事業の詳細を解説し、補助金を受けるための要件や必要書類などを紹介します。特にリフォームに関する情報について、助けになる情報をお届けしますので、ぜひご一読ください。

こどもエコ住まい支援事業のリフォーム補助金

政府はこのほど、エネルギー効率の高い住宅を増やすことを目的に、「こどもエコすまい支援事業」を発表しました。この事業では、既存住宅の省エネ性能向上のためのリフォームに補助金が出ます。事業の目的、対象となるリフォームの種類、対象となる工期、施工者の要件と申請者についての概要は以下の通りです。

事業の目的

この事業の政府の大きな目的は、無駄なエネルギー使用を減らし、地球温暖化の抑制に貢献することです。この補助金は、環境に配慮した住宅の建設やリフォームを行うことで、国民が住宅で使用するエネルギー量を削減することを奨励するために開発されました。

既存住宅のエネルギー効率を高めるためのリフォームや、子育て支援、バリアフリー、換気扇設置など、世帯の年齢を問わず補助金が支給されます。また、省エネだけでなく、浴室の増設や修繕、電気の改修、断熱や窓の交換などのリフォームにも利用できます。

対象工事期間

こどもエコすまい支援事業の補助金を利用するには、2022年11月8日から2023年12月31日までに工事契約を行い、「こどもエコすまい支援事業」の登録後、2023年12月31日までに工事を開始することが条件となります。着工時期は、事務局が設置される12月中旬が最短となります。

工事請負人の要件と申請者

補助金申請の対象となる工事は、「こどもエコすまい支援事業」に登録した事業者が行うものとし、前身の「こどもみらい住宅支援事業」に登録した事業者も継続して登録したものとします。申請などの手続きは事業者が行い、補助金は100%依頼者(クライアント)に渡ります。

対象となるリフォーム内容

補助金の対象となる工事の種類については、住宅所有者が利用できるものが多くあります。外壁、屋根・天井、床などの開口部を部分的に断熱するための断熱改修・施工が対象となります。太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器、節水型トイレ、節湯水栓、蓄電池などのエコ住宅設備も補助金の対象となります。

開口部の断熱改修

住まいを改修する際には、ドアや窓の断熱性を考慮することが重要です。ドア、窓ガラス、内窓、外窓の交換や新設は、エネルギーコストを削減するための大きなポイントです。住宅のドアや窓を交換・新設する際には、3,000円から45,000円の補助金を利用して、省エネを促進することができます。

外壁、屋根・天井、床などの断熱改修工事

外壁、屋根・天井、床の断熱性能を向上させることで、住宅のエネルギー効率を飛躍的に向上させることができます。1カ所につき2万円から15万1千円の補助が受けられます。十分な断熱材は、住まいの快適性を高め、月々の光熱費を削減することができることに留意することが重要です。

環境配慮型住宅設備機器の導入

住宅を改修する際には、環境に配慮した住宅設備を検討することが重要です。高断熱浴槽、太陽熱利用システム、高効率給湯器などは1台あたりで計算すると27,000円。節水型トイレは1台あたり1万9000円から2万円、節水型水栓の設置は1台あたり5千円です。蓄電池は1台あたり64,000円。

これらの3つが必須工事と呼ばれる内容ですが、それ以外にも任意工事もあります。

一例としては以下の通りです。

子育て対応改修

子育てのためのリフォームを行うことで、こどもにとって安全で快適な環境づくりを目指します。そのための変更点として人気なのが、対面式のキッチンセットを設置することです。このようなリフォームの場合、リフォームする箇所の数に関係なく、8万9000円の金額が支給されます。お手入れの簡単なレンジフードや自動調理のビルトインコンロとの併用はできません。

防災性能向上改修

もう一つのリフォームは、防災改修です。窓ガラスの交換や外壁の窓の交換などが挙げられます。窓をきちんと固定することで、浸水などの災害のリスクを軽減することができます。

リフォーム瑕疵保険

リフォームが完了した後、欠陥が発見され、追加で修理が必要になることがあります。その際の費用をカバーするために、リフォーム瑕疵保険に加入することが可能です。これは、リフォームで欠陥が発見された場合に、金銭的な損失に対する保護を提供します。この保険への加入には、補助金が出ることが多いです。

対象とならないリフォーム内容

以下のいずれかに該当するリフォーム工事は、補助金の対象外です。

ドアの一部や手すりのガラスを交換する工事は、補助金の対象外です。また、店舗併用住宅など、住宅の非住宅部分の工事。

また、住宅の所有者が必要な住宅設備を購入し、住宅事業者に設置を依頼する工事(いわゆる「自前工事」または「材料・工事別工事」)。

また、外皮(外気に面していない間仕切り壁)以外の部分の窓、ガラス、ドアなどの工事。

屋外に設置する手すりの工事、屋外の段差解消工事、太陽光発電設備の設置工事、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)の設置工事、リース機器の設置工事、中古機器を利用した工事なども補助対象外です。

リフォームの補助額

家のリフォームに興味があり、国の補助金を利用したいと考えている方は、申請する際に補助金額がどのように分けられているのか、何を受けることができるのかを理解しておくことが大切です。断熱改修やエコ住宅設備の設置など、住宅リフォームの補助金額について解説します。

補助金の金額

住宅リフォームの補助金額は、対象となる工事の内容によって細かく分かれており、その合計額が5万円を超えた場合にのみ補助金が支給されます。一般的に、子育て世帯や若夫婦世帯は、他の世帯に比べ補助金額がかなり高く設定されています。

1戸あたりの補助金額の上限は、30万円以上60万円以下です。1件あたりの補助金額の合計が5万円未満の場合は、補助対象外となります。

窓やドアなどの開口部の断熱改修の場合、補助金額は1個または1部分につき3,000円~45,000円です。外壁、屋根・天井、床の断熱改修については、1戸あたり4万円~15万1千円(1戸あたり2万円~7万5千円)の補助金額となります。

太陽熱利用システム、高断熱浴槽、高効率給湯器などの環境配慮型住宅設備を導入する場合、補助金額は1戸あたり27,000円です。

子育て世帯や若い夫婦が中古住宅を購入し、リフォームする場合、最大60万円の補助金が支給されます。

ただし、すべての世帯がこの金額を受けられるわけではなく、購入契約金額や購入日、リフォームの契約日など、さまざまな条件によって補助金額が変わってきます。今回は、世帯の種類ごとに異なる条件を見ていきながら、それぞれの補助金の上限額について解説していきます。

[最大60万円】子育て世帯や若夫婦で中古住宅を購入する場合

子育て世帯や若年夫婦世帯には、最大で60万円の補助金が支給されます。60万円の補助を受けるには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、購入契約金額が100万円以上であること。次に、2022年11月8日以降に売買契約を締結し、売買契約から3カ月以内にリフォーム工事の契約を締結することです。

【上限45万円】子育て世帯や若い夫婦の場合

申請時に子育て中の世帯、または若い夫婦が中心となっている世帯は、45万円を上限に補助を受けることができます。”子育て世帯 “とは、申請時に18歳以下のこどもがいる世帯、”若夫婦世帯 “とは、申請時に夫婦が結婚しており、2022年4月1日時点で夫婦のどちらかが39歳以下の世帯を指します。

【上限30万円】子育て中・若年者でない世帯

子育て世帯でもなく、若年夫婦でもない世帯は、30万円を上限に補助金を受けることができます。これらの世帯の対象条件は、他の補助金申請世帯の条件と同様です。

他の補助金との併用について

こどもエコすまい支援事業と他の補助金の併用について、原則として国が実施している他の補助金制度は併用できませんが、自治体単位で実施している補助金は併用可能な場合があります。

自治体が実施している補助金に関しては、当該自治体窓口へ併用可能かどうかを尋ねることが大切です。本記事では、こどもエコすまい支援事業と他の補助金の併用が可能な場合と不可能な場合を解説します。

請負工事契約が別であれば併用可能な補助金

リフォームを別々の工事請負契約で行う場合、他のいくつかの補助金を併用することができます。外構部の木質化対策支援事業、住宅・建築物安全ストック形成事業、ZEH化による住宅における低炭素化促進事業、次世代省エネ建材支援事業などです。

工事請負契約と工期が別であれば併用が可能な補助金

工事請負契約が別であれば対応可能な補助金に加え、工事請負契約と工期が別であれば併用が可能な補助金もあります。長期優良住宅化リフォーム推進事業、住宅エコリフォーム推進事業、住宅・建築物省エネ改修推進事業などです。

3省連携ワンストップ補助金(省エネ改修等)

対象となるリフォームを計画しており、「こどもエコ住宅支援事業」の補助金も受ける場合、「3省連携ワンストップ補助金」の対象となる場合があります。これは、補助対象が重複しない限り、3つの省庁の別々の補助金を同時に申請できる補助方法です。

3省連携ワンストップ補助金(省エネ改修等)とは、住宅の断熱性能の向上を図る個人・法人が、3省から重複することなく同時に補助金を受けられる制度である。補助金額や補助率は工事の種類によって異なり、各省庁とも1戸あたり200万円の上限が設定されています。

補助金1:経済産業省・環境省

1つ目が、経済産業省・環境省の「住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業等」です。高効率給湯器の設置など住宅部門の省エネを推進する事業が対象となります。給湯器には一定の基準があり、1台につき一定額が補助される。

補助金2:国土交通省

2つ目の補助金は、国土交通省の「子育て環境配慮型住宅支援事業」です。この補助金は、既存の窓を一定の基準を満たした高断熱のものに更新するなど、高断熱窓の設置やそれに伴う断熱改修工事を対象とするものです。補助金額は工事内容により定額で、補助率は1/2相当、補助金額は1戸あたり200万円を上限とします。

補助金3:国土交通省

3つ目が、今回解説している「こどもエコ住宅支援事業」です。

まとめ

日本では、子どもや若い夫婦のいる世帯が新築住宅や注文住宅を購入する際に、1世帯あたり最大100万円を補助する「こどもエコすまい支援事業」があります。また、リフォームについては、子どもや若い夫婦のいる世帯を含む全世帯が対象となります。

これは、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという国の計画に照らして、より重要なエネルギー効率の高い住宅への動きを支援するためのものです。

こどもエコすまい支援事業は、再生可能エネルギーの利用や廃棄物の発生抑制を促すことで、環境負荷の低減につながる可能性があります。

エネルギー効率の高い家電製品の使用や家庭での省エネ対策も、家庭でのエネルギー使用量削減に貢献します。エネルギー効率の高い家電製品は、従来の製品よりも消費電力が少なく、寿命も長い。さらに、省エネ電球や温度調節機能付きカーテン・ブラインドの使用など、家庭での省エネ対策は、快適性や安全性を確保しながら、エネルギー使用量の削減に貢献します。

また、建設現場から出る資材のリサイクルも重要です。建設廃棄物からリサイクル可能なものを分別することで、環境保護につながります。さらに、廃棄物の埋め立てを防ぐことで、廃棄物の処理費用を削減することができます。

こどもエコすまい支援事業は、家庭での環境負荷低減を促す有効な手段です。再生可能エネルギー、スマート機器、エネルギー効率の高い家電製品、家庭の省エネ対策などを通じて、家庭は二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献することができます。持続可能な未来に貢献する素晴らしい制度なのです。

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吉原 健壹

吉原 健壹

住まいるラボ株式会社代表取締役 マイホーム購入を中立の立場でサポートする専門家。 資金、建築会社選びから風水についてまで、累計1000件以上のマイホーム相談を実施した経験を元に、「見学会には行かなくていい」などといった独自の理論で業界平均以上の満足度を実現。
吉原 健壹

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住まいるラボ株式会社代表取締役 マイホーム購入を中立の立場でサポートする専門家。 資金、建築会社選びから風水についてまで、累計1000件以上のマイホーム相談を実施した経験を元に、「見学会には行かなくていい」などといった独自の理論で業界平均以上の満足度を実現。

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