土地を借りて家を建てようとされている方の中には、聞きなじみのない「借地権」でお困りの方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、家を建てる際の悩みの種である「借地権」について詳しく解説します。
□借地権とは
「借地権」とは、土地を借りて家を建てる際に、その土地を優先的に継続して借りられるように国が保障している権利です。
借地権によって、「家は建物を建てた人のもの、土地は地主から借りているもの」であることが明確になります。
*借地権の種類
借地権には、「旧借地権」と、1992年(平成4年)に制定された借地借家法の「普通借地権」と「定期借地権」の大きく3つがあります。
「旧借地権」の期限は、「木造」と「鉄骨造・鉄筋コンクリート造」で違っていて、それぞれ存続期間が30年と60年、最低期間が20年と30年、更新後の延長期間が20年と30年です。
「普通借地権」では、存続期間が30年と定められていますが、契約を更新することで半永久的に土地を借りられます。
1回目の更新後は20年、2回目以降の更新では、毎回10年ずつ期限が延長されていきます。
「定期借地権」は更新ができないので、その土地での永住はできません。
ただし、最も多い「一般定期借地権」では、存続期間が50年と十分長いため、永久するつもりがない方は問題ありません。
□借地権のメリットとデメリットについて
借地権のメリットは、「固定資産税・都市計画税を払う必要がない」「土地にかかる費用を抑えられる」「借地権の延長が可能」の3つです。
1つ目の「固定資産税・都市計画税を払う必要がない」は、土地が自分のものではないため、土地にかかる税金の支払い義務は、すべて地主にあります。
ただし、あくまで「土地」にかかる税のみなので、建物にかかる税金(固定資産税・不動産所得税)は支払う必要がある点には十分注意してください。
2つ目の「土地にかかる費用を抑えられる」は、「借地権」では、土地自体を所有する「所有権」に比べて、地代を低く抑えられます。
借地権価格は、所有権価格の5〜8割程度なので、土地の取得にかかる費用が数百万円から最大で数千万円も抑えられます。
3つ目の「借地権の延長が可能」は、基本的に借地権には期限があるのですが、契約を更新して、土地の借用期間を延長できる場合があります。
一方で、借地権にもデメリットがあります。
*毎月「地代」を支払う必要がある
借地権は、土地を地主から借りるものなので、毎月「地代」を地主に納めなければなりません。
ローン付きで建物を購入した場合には、ローン返済と地代を両方支払う必要があります。
*増改築に地主からの許可が必要
土地を所有しているわけではないので、増改築の内容によっては地主に承諾してもらわなければならず、さらに「承諾料」が必要な場合もあります。
□まとめ
土地自体を所有して家を建てる場合に比べて、土地を借りて家を建てるときには様々な制限があるように思われがちですが、「借地権」によって基本的な権利は守られています。
土地にかかる税金を避けながら、半永続的に住める場合もあるので、デメリットも考慮したうえで、「借地権」を検討してみてください。
吉原 健壹
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